凍結肩(五十肩)①

とうけつかた(ごじゅうかた)

福るん

肩が痛くて挙がらない。これって俗にいう…

原因と病態

古くより、中高年に好発する肩の痛みを五十肩と呼んできました。

近年では、国際的に広く使われているfrozen shoulderに対応する「凍結肩」が診断名として用いられるようになってきました。

凍結肩は、「中高年に発症し、既知の疾患には該当せず、明らかな誘因がなく、肩関節の痛みと拘縮をきたす疾患」と定義されます。

症状と診断

典型的な凍結肩は、

  • 炎症期
  • 拘縮期
  • 回復期

の3つの時期を経て、1~4年くらいの経過で治癒するとされています。

痛みで発症し、動作時痛のため自動運動が制限されるようになります。それとともに安静時痛、夜間痛も出現するようになり、徐々に拘縮が進行していきます。

拘縮期になると肩関節の動きはあらゆる方向に制限されるようになりますが、痛みはむしろ軽減してきます。

その後、徐々に拘縮がとれて可動域が戻ってきます。しかし、最近の研究では、元通りまで完全には戻らないといわれています。

治療法

保存療法として、痛みが強い時期には三角巾を使った上肢の安静と消炎鎮痛剤の内服、ヒアルロン酸の関節内注入などを行います。

痛みが軽減し、可動域制限が主体の時期に入ったら、リハビリテーションによる関節可動域の再獲得を図ります。痛みが強い時期には、関節内に通常よりも少し多めの局所麻酔薬を注入して関節腔拡張術を行います。

難治例に対しては、神経ブロック下にサイレント・マニピュレーション(非観血的関節受動術)や鏡視下関節包切離術などが行われます。

当院では、サイレント・マニピュレーションを行っております。
詳細は五十肩② サイレント・マニピュレーションをご覧ください。