肋骨疲労骨折

ろっこつひろうこっせつ

原因と病態

肋骨(あばら骨)は、両側に12本ずつある骨です。第1肋骨疲労骨折は、腕を上げる動作を起点として発症します。

ウエイトリフティング、チアリーディングなどのスポーツに多くみられます。第2~9肋骨疲労骨折は、ゴルフ、野球、ソフトボールなどのからだの捻りを伴う動作を繰り返す競技に多くみられます。

ゴルフによるものは利き手と反対側の第5-6肋骨に多く、野球では利き手側の第7-8肋骨に多いと言われています。

症状と診断

身体をひねると胸に痛みを感じたり、骨折部位を押さえると痛みを生じます。第1肋骨疲労骨折の場合は首から肩甲骨内側に痛みを自覚することが多く、首や肩の疾患との鑑別が重要です。

練習量や練習環境の変化、フォーム、ポジションといった問診が大切です。初期ではレントゲンでは所見が認められないことが多いため、MRI検査が早期診断にはとても有用です。

発症後2週間以上経っているものではレントゲンでも変化が認められることがあります。

治療法

基本的には疲労骨折が生じた部位に負担をかけないことが重要です。痛みがある状態で、無理に練習を続けてしまい疲労骨折の発見が遅れると、骨折が治らない「難治性骨折」「偽関節」と呼ばれる状態になってしまうことがあります。

手術が必要となる場合もありますので注意が必要です。復帰に関しては、定期的なMRIやX線検査の結果を見て、試合や生活のニーズに合わせながら段階的に復帰時期を検討します。

理学療法士が、疲労骨折を発生させる原因となる体の使い方やバランスの不十分な部分を評価し、適切にリハビリテーションを行います。

併せて、普段心掛ける事や、自主トレーニング方法、患者様に合ったインソールなどのスポーツ用具に関しても、必要に応じてご提案させていただきます。

当院では疲労骨折に対して、超音波骨折治療器「LIPUS(アクセラス2)」を導入しています。

この装置を使用することで、骨折の治療期間が4割ほど短縮できたという学術データもあります。

難治性骨折や偽関節と呼ばれる状態になってしまった場合には、固定用ネジやプレートで骨折部を整復固定する手術が行われることもあります。

 

 

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