かんせつりうまち
原因と病態
関節リウマチは、多発性の関節炎を主体とする原因不明の全身性疾患です。発症のごく早期には手や足に限局した痛みや腫れが主体です。
勢をコントロールできなければ、次第に全身の関節に波及します。痛み、腫れに加え、関節の変形や可動域制限を生じて関節破壊と機能障害を来す疾患です。
本邦における発生頻度は、0.5~1%程度といわれています。これまでは40歳代をピークに20~50歳代に好発するといわれてきましたが、近年、高齢発症の関節リウマチが増えてきています。
関節リウマチの病因は未だ解明されていませんが、家族内発症や一卵性双生児での発症の高さから、遺伝的因子の関わりが示唆されています。
環境因子として、喫煙と歯周病の関与が知られ、発症率増加の危険因子として重要です。
日常生活で経験する怪我にはさまざまなものがあります。
症状と診断
①朝のこわばり
起床時に関節がこわばり、指を動かしにくい症状を「朝のこわばり」といいます。体を動かし始めると多くの場合、こわばりは消退します。
②痛み
関節の自発痛、圧痛、運動時痛を認めます。
③腫脹
炎症が持続すると関節包とよばれる関節のふくろが肥厚したり、関節液が貯留することによって関節の腫脹を認めるようになります。
変形性関節症により手の第1関節に発生するへバーデン結節や第2関節に発生するブシャール結節では骨性の隆起で、触診上、関節リウマチの腫脹よりも固く性状が少し異なります。
④可動域制限
痛みによる可動域制限と、関節面の破壊および関節周囲の軟部組織の拘縮により可動域制限を認めるようになります。
診断は、手、手関節、足の小関節の腫脹や痛み、しばしば1時間以上持続する朝のこわばりといった特徴的な関節所見に合わせて、血液検査でリウマチ因子や抗CCP抗体とよばれる検査で陽性となったり、レントゲンで関節破壊や関節周囲の骨が痩せるといった所見認めるかなどを総合的に評価して診断します。治療の基本は早期発見、早期治療です。
診断がつけば、より積極的な薬物療法によって関節破壊を阻止することが非常に重要です。
治療法
近年、関節リウマチの薬物治療は劇的に進歩しています。
より早期に診断し、関節破壊が進む前に積極的に薬物療法を行い、緩解状態を達成すること、病期が進んでも病状に合わせて、
- 薬物療法
- 手術療法
- リハビリテーション
を上手く組み合わせて、緩解状態や低疾患活動性状態を目指しながら、自立した日常生活が送れるような治療を行っていくことが基本的な治療方針になります。
適度な睡眠と体操、鉄分やカルシウムなどが豊富でバランスのよい食事摂取なども重要です。
関節の腫脹や痛みが強いときには、局所安静と保温に努め、軽減しているときには、関節保護に配慮しながら関節可動域訓練、筋力強化訓練といったリハビリテーションを上手く取り入れていくことが大切です。
薬物療法には様々なものがあります。
基本はメトトレキセートとよばれる免疫抑制剤を中心に個々の患者さんに合った薬物を上手に組み合わせて治療していくことになります。
私は日本整形外科学会認定リウマチ医として、これまでリウマチ治療にも積極的に取り組んでまいりました。いつでもお気軽にご相談ください。