ロコモティブシンドローム

ろこもてぃぶしんどろーむ

定義と概念

運動器の障害のために移動能力の低下をきたした状態を、ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)といいます。進行すると日常生活活動の自立性を阻害し、介護が必要になるリスクが高くなります。

運動器の主な構成要素である

  • 関節軟骨
  • 椎間板
  • 筋肉
  • 神経

が、加齢や疾患などにより障害されると疼痛、筋力低下、関節可動域の低下、バランス能力の低下をきたしてしまいます。

その代表疾患は、

  • 骨粗鬆症
  • 変形性関節症
  • 変形性腰椎症
  • サルコペニア
  • 神経疾患

などです。サルコペニアとは、高齢期にみられる骨格筋量の低下と筋力または身体機能(歩行速度など)が低下した状態を指します。

評価法

ロコモかどうかは、ロコチェックを用いて簡単に確認することができます。

  1. 片足立ちで靴下がはけない
  2. 家の中でつまずいたり滑ったりする
  3. 階段を上るのに手すりが必要である
  4. 家の中のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である
  5. 2kg程度の買い物(1Lの牛乳パック2個程度)を持ち上げるのが困難である
  6. 15分くらい続けて歩けない
  7. 横断歩道を青信号で渡り切れな

この7項目のうち、1つでも当てはまればロコモの可能性があります。

下記のロコモーショントレーニング(ロコトレ)を日々の生活に取り入れたり、運動器リハビリテーションによって対策を講じることを強く推奨します。

私は日本整形外科学会認定ロコモアドバイズドクターとして、当院の理学療法士とともに積極的にロコモ対策に取り組んでまいります。

気になることがございましたらお気軽にご相談ください。

治療法

腫れや熱感があれば

  • 患部を冷やす
  • 軽くマッサージを行う
  • テーピングや装具などにより関節の安静を保つ(無理をさせない)

ことで痛みの鎮静化を図ります。

痛みが強い場合は、湿布、消炎鎮痛剤、漢方薬などを使用します。

個人差があるものの、数か月~数年のうちに痛みは落ち着くことが多いので、手術になることはほとんどありません。

ロコモーショントレーニング(ロコトレ)