成人期扁平足

せいじんきへんぺいそく

福るん

土踏まずがなく、べちゃ足。それってもしかして…

原因と病態

後脛骨筋腱とよばれる足の縦アーチ(土踏まず)を保持している腱が、加齢に伴い変性断裂してしまうと機能不全を生じ(後脛骨筋腱機能不全症)、後天的な扁平足を生じます。

中年以降の女性に好発するといわれています。

症状と診断

内くるぶしの下を走っている後脛骨筋腱に沿う腫れと痛みを認めます。

扁平足が進行して踵部が外向きに外反すると外くるぶしと踵骨の間で軟部組織が挟み込まれ、足外側にも痛みを生じるようになります。

立った状態で足を側面からレントゲン撮影することで、足アーチの低下を評価します。また、腱が変性すると膨らんで断裂するため、MRIや超音波検査も診断に有用です。

治療法

アーチサポート付きの足底板装具や、アキレス腱のストレッチングや足部の内在筋強化のために足趾でタオルを手繰り寄せるタオルギャザリングも効果的です。

当院では創業64年の老舗でオーダーメードの靴、インソールを長年手がけてこられた靴の「のさか」と北陸で初となるコラボレーションを実現し、フットルックという足底圧を正確に計測できる機器を駆使して足裏診断をしっかり行った上で、その患者様に合ったインソールの作成をお願いしています。是非一度ご相談ください。

手術は、初期には変性断裂した腱周囲の炎症性滑膜炎の切除術が行われます。アーチが低下しているものの、まだ可逆性が残されている場合には、踵骨の内側移動骨切り術と腱移行術を併用した手術などが行われます。

拘縮が著明な場合には、関節固定術が選択されます。