足底腱膜炎

そくていけんまくえん

原因と病態

足底腱膜炎とは、足底腱膜と呼ばれる足の裏に存在する腱が炎症を起こした状態のことです。

足底腱膜は、アーチ状になっている足の土踏まずを支える重要な役割があり、足への衝撃を和らげるクッションの働きも担っています。

足底腱膜は足にかかる衝撃を吸収するクッションの役割を果たすほか、吸収した衝撃を利用し、蹴り出すエネルギーとして活用する役割を行っています。

しかし、足底腱膜に過剰なストレスが加わることで、足底腱膜と骨の付着部で炎症が起こすと、衝撃が吸収されにくくなったり、蹴り出すときの力のバランスが悪くなるため、歩いたり走ったりに支障をきたすようになります。

症状と診断

歩くと踵から足底にかけて痛みを認めます。歩行時間や距離が長いと痛みが増強します。

その他、足の裏を圧迫すると痛い、夕方になると痛みが強くなる、運動後や運動翌日が痛い

起床後歩き始めたときや長時間座った状態から急に歩いたときに痛い、階段やつま先立ちなどをすると痛いといった特徴があります。

症状には個人差がありますが、一度発症すると患部への負担が常にかかるため、難治性となってしまうこともあります。

レントゲンで骨の異常が無いか確認します。また、超音波を用いて足底腱膜の腫れや肥厚、炎症がないかを確認します。

さらにMRIで炎症の程度や範囲、腱の損傷程度を確認することもあります。

治療法

ストレッチや筋力トレーニングを行う運動療法、電気刺激などを利用した物理療法、湿布、消炎鎮痛剤などの薬物療法、インソールなどの装具療法といった保存療法が基本になります。

痛みが強い場合、スポーツ活動を一時的に中止したり、靴を柔らかいクッション性のあるものにするなどして軽減することが多いです。

ステロイド注射を行うこともあります。

当院では、北陸ではまだ少ない拡散型圧力波システム(マスターパルスONE)を導入しております。衝撃波を患部に照射することで痛みを和らげ、組織の修復を促す治療法です。