じょうわんこつがいじょうかえん
雑巾を絞る動作で肘が痛い。それってもしかして…
原因と病態
上腕骨外上顆炎とは、肘の外側が痛くなる疾患で、スポーツのなかではテニスのバックハンドで多くみられることから、「テニス肘」とも呼ばれています。
しかし実際には、雑巾を絞るといった家事を通して同様の動作を繰り返す機会も多く、テニスをしたことのない主婦に発症することもまれではありません。
一般的には、加齢とともに腱が傷んで起こるとされていますが、原因についてはまだ十分にわかっていないのが現状です。
ものを持ち上げたり、手をひねったりする動作を繰り返すことで発症します。上腕骨外上顆炎を発症すると、痛みの影響から日常生活動作に悪影響が生じることがあります。
症状と診断
上腕骨外側上顆炎の症状は、ある一定の動作をしたときに腱の付着部位である肘の外側が痛いというのが特徴になります。
たとえば
- ものをつかんで持ち上げる
- タオルや雑巾を絞る
といった動作に伴って痛みが生じます。その一方で、安静にしているときには痛みが生じないことが多いです。
上腕骨外側上顆炎は、レントゲンで骨や肘関節に異常がないことを確認した上で、身体診察における各種誘発テストによって診断できます。
治療法
まずはストレッチ、原因となるスポーツの一時中止も含めた患部の安静、装具着用、薬物投与といった保存療法が主体になります。
なかでも重要なのはストレッチです。
テニス肘が起こる要因は使い過ぎによるものなので、少し作業を控えてもらうとともに、手首周辺の筋肉のストレッチを行います。
また、作業を行うときには専用のベルト(装具)を装着します。痛みが強い場合は、ステロイド注射をすることもあります。
また、運動をしたあとのアイシングも行います。
保存療法を行っても病状が再発することもあるため、筋力トレーニングを重ねて上肢全体の筋力アップを図ることも有効です。
保存療法を開始してから半年~1年程度で多くの方はよくなりますが、改善しない場合には手術を検討します。実際、私もテニス肘で1年近く肘の痛みに悩まされましたが、いつしか自然と痛みが無くなりました。