石灰沈着性腱板炎

せっかいちんちゃくせいけんばんえん

福るん

突然、肩に激痛が。それってもしかして…

原因と病態

肩を挙げるスジである腱板の変性などを基盤にして同部位に石灰が沈着する病態です。この石灰は炭酸アパタイトといわれています。

症状と診断

沈着した石灰が吸収される過程で炎症反応が誘発され、腱内部の圧が上昇するために強い痛みを生じます。激烈な痛みのため肩の自動運動が全くできず、救急外来を受診するケースもあります。

一方、慢性期には沈着した石灰のために腱板が肥厚し、肩峰との間で衝突を起こすようになると動作時の痛みがみられるようになります。

レントゲンで石灰沈着像を認めることで比較的容易に診断できます。

治療法

急性期には注射針で穿刺して石灰を吸引し、その後、ステロイドを注入します。ステロイド注入には劇的な効果が期待できます。

慢性期入り、衝突現象を呈する場合には、保存療法はあまり期待できず、手術療法(肩峰下除圧術、石灰摘出術)が行われます。