こかんせつしんそんしょう
股関節を深く曲げて捻ると股関節前面に痛みが。それってもしかして…
原因と病態
股関節唇損傷とは、股関節の屋根部分である寛骨臼(臼蓋)の縁に付いている、繊維軟骨からなる関節唇と呼ばれる組織が損傷した状態を指します。
屋根の被りが浅い寛骨臼形成不全症や、近年注目されている大腿骨-寛骨臼インピンジメントに伴い損傷することが多いです。
症状と診断
股関節のひっかかり感、関節がずれる感覚などの症状に加え、股関節を曲げて、内股方向に捻ると痛みが誘発されることが多いです。
レントゲンや通常のMRI撮影では診断が難しく、特殊なMRI撮影が必要です。股関節唇損傷の診断には、この病態に精通した医師の画像評価とレントゲン技師による放射状MRI撮影が必須です。
治療法
保存療法が主体になります。
痛みが出現してから3カ月~半年の間、疼痛を誘発する肢位をできるだけ避けるように指導したり、消炎鎮痛剤の投薬やステロイド注射加療を行います。
保存加療が功を奏さない場合には手術を考慮します。手術方法には大きく分けて2つあります。股関節を大きく展開し、股関節を外科的に脱臼させた状態で関節唇の修復を行う方法と、関節鏡を用いて低侵襲に関節唇の修復を行う方法です。
どちらの手術も難易度の高い手術方法で、限られた施設でしかできない手術になります。
私は、いずれの手術に関しても留学を通じて本場で修行してきましたので、自信をもって手術させて頂くことができます。
前者の股関節を大きく展開して行う外科的脱臼法という手術に関しては、開発者であるGanz先生が在籍されていたスイスの病院で直接指導頂きました。
また後者の関節鏡を用いた手術に関しては、股関節鏡で世界的に有名なPhilippon先生のもとに1年間留学させて頂き、その技術を間近で1年間学ばせて頂いた経験から、北陸では誰にも負けない自信がございます。
また股関節鏡に関しては、北陸で唯一の日本股関節学会股関節鏡技術認定医の資格を有しております。
股関節に不安のある方は是非一度ご相談ください。